ゆうちょ銀行の預入限度額を現行の1000万円から1300万円程度に引き上げることを柱とする報告書をまとめた郵政民営化委員会の会合=2015年12月25日午前、東京都千代田区永田町(共同)【拡大】
政府の郵政民営化委員会(増田寛也委員長)は25日の会合で、ゆうちょ銀行の預入限度額を現行の1000万円から1300万円程度に引き上げることを柱とする報告書をまとめた。かんぽ生命保険の加入限度額も1300万円から2000万円に上げるのを容認する。引き上げが来年実現すれば、ゆうちょは25年ぶり、かんぽは30年ぶりとなる。
来夏の参院選をにらみ、自民党が地方の利用者の利便性を高めるよう求めているのを踏まえた判断。政府は政令改正の作業に入り、来年4月にも実施する。地方銀行などは預金流出を懸念し「民業圧迫だ」と批判していたが、こうした反対を押し切った形だ。国内最大の預貯金規模がさらに膨らむ可能性が出てきた。
報告書では、ゆうちょ銀の限度額を1300万円程度にした上、影響を見極めつつ段階的に規制緩和することも盛り込んだ。増田氏は会合後の記者会見で、限度額の追加引き上げに関し、次の引き上げから1~2年後との考えを示した。
報告書は、民営化後も暗黙の政府保証があるというのは誤解だと指摘。900万円超を預けている人が少ないことなどから、限度額を引き上げても「影響は限定的と考えられる」と強調した。