迎えた昨年12月の商品発表会。壇上に上がった宮本彰社長は「この商品はキングジムの歩んできた“裏通り”路線そのものだが、案外“大通り”かもしれない」と、画期的なミニマムパソコンが掘り起こす新需要に期待感を示した。
冨田さんは「私たちがパソコンの素人だったからこそ、スペック重視の流れに乗らないパソコンを作ることができた」と、開発の約2年を振り返った。
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■自由な発想、風通しの良さ原動力
≪TEAM≫
メモ打ちに特化した電子文具「ポメラ」や、手書き文書をデジタル化する「ショットノート」など、独創的な商品を世に送り出してきたキングジム。ポータブックの商品開発チームもメンバー個々の自由な発想と、闊達(かったつ)な意見を交わす風通しの良さを原動力に、ポータブックをオンリーワン商品として昇華させた。
メンバー同士の風通しの良さは、開発リーダーの冨田正浩さんがポータブックの製造委託企業の選定で難航していた際、新人の畑山優貴さんが助けたときにも発揮された。そもそも畑山さんが冨田さんを訪ねた理由は「仕事のアドバイスをもらいにきた」(畑山さん)ためだが、部署や入社年次の垣根を越えた社員同士の交流が寄与している。