◆真摯に向き合える場
2015年には折り畳みが可能で比較的安価な「Mobile Hi-Fi Phone 4000」を発売。DJが移動しながら使用するのを念頭に制作したものだが、「一般の人もぜひ聴いて、アーティストが出したい音そのものを感じてほしい」。
若い頃に覚えた違和感への一つの答えであるヘッドホンを手に、熊野社長は「表現したい音に個人が真っすぐ向き合える場を作っていきたい」と力強く語る。(岩崎雅子)
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【会社概要】PHONON
▽本社=川崎市宮前区初山2-8-24-1((電)044・863・4838)
▽設立=2010年
▽資本金=500万円
▽従業員=6人
▽売上高=3000万円(15年3月期)
▽事業内容=音響機器の製造・販売
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≪インタビュー≫
□熊野功雄社長
■新規参入だから自由に作れた
--新規参入のハードルはなかったか
「商品の製作自体は今まであった技術を一つにまとめてブラッシュアップしたものなので、それほど大変ではなかった。音響機器ブームが去ってからは、需要がないせいか各メーカーでも根本的な技術的開発は進んでいない。ある意味、社内の圧力がなく、小ロットで自由に作れたことが、音質に純粋に向き合えてよかったのだと思う」