会見で頭を下げる鈴木修会長(手前)ら=18日午後、東京都千代田区の国交省(宮崎瑞穂撮影)【拡大】
《続いて俊宏社長が詳細を説明。A4用紙2枚の発表文を手に、硬い面持ちで慎重に読み上げる》
鈴木俊宏社長 「走行抵抗の申請時のデータの取り扱いについて、現在販売している16車種について確認したところ、申請時には惰行法を用いたものではなく、装置ごとの転がり抵抗の実測値や風洞試験装置での空気抵抗の実測値を積み上げた結果のデータを使用していました。社内調査を行うまで把握できておらず、国交省の承諾を得ることなく、こうしたデータを使用していたことを改めてお詫び申し上げます」
「申請をした値は、装置ごとの実測値での室内試験データの積み上げであったため、試験走行と異なり、風の影響を受けることなく、標準待機状態のようにばらつきが少なく測定することが可能となっていた。(法令で定められている)『惰行法』の問題点として、限られた時間の中でデータをそろえることが困難だったことがあります。(静岡県牧之原市にスズキが保有する)相良テストコースは海に近く、丘の上にあることから風の影響を受けやすく、天候に左右されやすいこともあり試験が難しかった。細かな走行抵抗値の差異を発見できなかった。また、車体の軽量化などで風の影響を受けやすくなっており、測定結果のばらつきが大きくなる傾向にある。『惰行法』で低転がりタイヤを使用する場合、ばらつき無く測定するのが難しく、何度も試験を行う必要があった。すでに持っている惰行法の実測データに加え、新たに計測した『惰行法』によるデータとすべてと比較した結果、走行データと測定した燃費値に修正の必要性はないということだった。保安基準にも適合しており、問題はないと考えている」
《俊宏社長は説明の最後に、今後の対策を明らかにした》
俊宏社長「定められた方法で測定した申請値として使用していなかったことを重く受け止め、テストコースの暴風壁の整備、試験装置の台数追加、コースの路面整備など、走行環境を整え、惰行法による測定値の使用の徹底を図る。不明な点がある場合は国交省に事前に相談するよう徹底するように社内に通達した」
(続く)