「副社長の頃が楽だった…社長しんどい」 重責解放されたシャープ高橋氏の3年間 (2/7ページ)

2016.7.23 17:00


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 平成25年6月25日。高橋氏はその年の株主総会後の取締役会で正式に社長に就任した。当時、シャープは液晶事業への過剰投資などが原因で経営危機を迎えてはいたが、高橋氏の表情は気迫に満ちていた。

 24年から社長を務めた奥田隆司氏はリーダーシップを全く発揮できなかった。液晶への過剰投資で経営が傾く中で、コンサルタントを複数雇いながら判断には踏み切らず、右往左往するばかり。さらなる事態の悪化を受け、会長の片山幹雄氏(現・日本電産副会長)の引責辞任が決まり、奥田氏に「あなたもやめるべきだ」と詰め寄り引導を渡したのが高橋氏だった。さらに4代目社長の町田勝彦氏を経営陣から完全に排除。歴代3社長による「三頭政治」と揶揄(やゆ)された体制を一掃した。

 また、企業風土改革に取り組み上司を「~さん」で呼ぶなどの「さんづけ運動」に取り組んだことも好感を呼び、社内には高橋氏への期待が高まっていた。

 1年目は、経営面での明確な成果もあった。シャープは25年度末に企業年金の積み立て不足1200億円の負債計上を迫られ、債務超過に陥る手前だった。新たに株式を発行して市場からお金を集める「公募増資」を、2020年東京五輪決定のタイミングを機に仕掛け“ご祝儀的”に無事約1400億円の資金を得た。実際には単なる「延命措置」ではあったが、高橋政権の評価を上げる要素となった。

また、事業にも追い風が吹いた。太陽光事業は、固定価格買い取り制度で…

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