「副社長の頃が楽だった…社長しんどい」 重責解放されたシャープ高橋氏の3年間 (5/7ページ)

2016.7.23 17:00


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 そんな兆候に気づかないまま、シャープ首脳は、つかの間の宴を楽しんでいたのである。

 次第に沈黙するように

 26年の年末から27年年頭にかけ深刻な事態が表面化し、経営危機の第2ラウンドが始まる。

 シャープは27年5月、再度の中期経営計画を策定。金融機関からの2千億円規模の金融支援、減資、本社売却と言った再建策が打ち出されたが、肝心の液晶は温存したままだった。この時の記者会見で高橋氏は「液晶がなければ、再建計画は成り立たない」とまで言い切った。

 ところが、舌の根も乾かぬわずか2カ月半後に行われた27年4~6月期の決算会見で、高橋氏は「液晶の分社化検討」を表明。再建の柱が早くも折れた。

 経営が迷走する中で、3千人規模の希望退職が行われ、自主退職も相次ぎ人材の流出が深刻化。こうした中で、トップは次第に沈黙するようになっていった。

 高橋氏は一体何を守りたいのか。液晶なのか、従業員なのか、シャープの看板なのか。昨年秋の夜回り取材で質問をぶつけた。

「そんな難しいこと聞かんといて。僕は橋下徹(前大阪市長)ちゃう。聞かんといて」

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