
エイチ・ツー・オーリテイリングとの資本業務提携を発表し、質問に答えるセブン&アイ・ホールディングスの井阪隆一社長(左)=6日午後、東京都中央区【拡大】
セブン&アイ・ホールディングスは6日、傘下の百貨店そごう・西武が持つ大阪、神戸の3店舗を、関西が地盤のエイチ・ツー・オー(H2O)リテイリングに売却することを柱とする資本業務提携をしたと発表した。同日都内で会見したセブン&アイの井阪隆一社長は「選択と集中という新しい軸が必要だ」と述べ、これまでの拡大戦略を転換する考えを明らかにした。
脱カリスマ経営を宣言
6日午後4時。都内の会見場に緊張した面持ちで現れた井阪社長は、「24年ぶりに経営体制が変わる」と切り出し、同日発表した平成29年度から始まる中期経営計画の概要を説明し始めた。
セブン&アイは5月、20年以上グループを率いた鈴木敏文前会長兼最高経営責任者(CEO)が退任。中期計画では鈴木前会長が主導し買収した百貨店事業の縮小などを盛り込み、カリスマ経営者と呼ばれた鈴木前会長が進めた経営体制からの決別を明確にした。
井阪社長は「鈴木前会長が築き上げた思想に磨きをかけ、お客さまの期待に応える。一方、改める部分か変えていく」と強調。
セブン&アイとH2Oは関係強化のため、約57億円分の発行済み株式を互いに持ち合うことなどについて淡々と説明する。