
エイチ・ツー・オーリテイリングとの資本業務提携を発表し、質問に答えるセブン&アイ・ホールディングスの井阪隆一社長(左)=6日午後、東京都中央区【拡大】
譲渡対象はそごうの神戸店(神戸市)と西神店(同)、西武高槻店(大阪府高槻市)。看板の掛け替えや従業員の処遇など詳細は今後詰める。記者からは関西エリアから撤退する狙いを問う質問も出た。
記者「そごうの神戸店は、売り上げ規模は小さくない。なぜ手放すのか」
井阪社長「神戸店は売上高が400億円強ある。利益も若干出ている。だが築82歳。最も店舗年齢が高く、老朽化している。今後もブランドを維持するには大規模な改修が必要になる。関西での方向感や価値観がと合っていたので、H2O引き継いでもらうことにした」
鈴木前会長の負の遺産
カリスマ経営者だった鈴木前会長の経営路線からの転換について聞く質問も相次いだ。
記者「百貨店の譲渡は、(鈴木前会長の)負の遺産を処理するという意思表示と受け止められるが」
井阪社長「今の時点で、負の遺産とみられるかもしれないが、百貨店事業を傘下に入れた前執行部の考えは決して間違っていない。ただ、買収後にリーマン・ショックなど外部環境の変化で、大変だったと思う。これから、事業環境の変化によって、処理をしないといけない事業もある。それは将来を考えて、きちんと処理するようにしたい」