不正会計、チャレンジ…東芝、“膿”出し切れず 国策の原発が聖域化 甘い企業統治 (2/2ページ)

2017.3.29 19:20

会見冒頭、頭を下げて挨拶する東芝の綱川智社長=29日午後、東京都港区(川口良介撮影)
会見冒頭、頭を下げて挨拶する東芝の綱川智社長=29日午後、東京都港区(川口良介撮影)【拡大】

 この間、WHのダニー・ロデリック会長らが、巨額損失を減らすよう部下に圧力をかけた疑いも指摘される。不正会計問題後、強化したはずの監視機能は、子会社の暴走を食い止めることができなかった。「第三者委の調査時に、膿を出し切れなかった」。投資情報サービス会社、ナビゲータープラットフォームの和泉美治アナリストはこう批判する。

 不正会計問題の渦中から、WHの減損問題を指摘する声は一部にあったが、当時の調査対象からは外れていた。国策でもある原発事業は継続が前提にあり、米原発事業が事実上の聖域化していた恐れがある。

 確かに原発は安全保障とも絡む特殊分野だ。しかし、厳しい調査により事業に傷が付くことを避けたとすれば、不誠実な経営判断に対する厳しい批判は避けられない。(万福博之)

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