世界の貧困解決のため「みんなを身内にする」社長 田原総一朗氏が迫る (7/8ページ)

 【田原】どういうこと?

 【田口】今年7月、ケニアで活動しているアルファジリという会社がグループ入りしました。この会社は、大豆の栽培指導から物流網の整備、買い取りまで行って、大豆農家を育てようとしています。

 【田原】なぜ彼らはわざわざグループに入ったの?

 【田口】自分のアイデアを世界中に広げるためです。社会起業家たちは自分がつくり上げた事業で、一人でも多くの人を助けたいと思っていて、世界中に広げたい。でも、そこに見知らぬ人がやってきて「いいモデルですね。私もエチオピアの人を助けたいからそのノウハウを教えて」と言ったらどうなるか。さっきまで一人でも多くの人を救いたいと言っていたのに、見ず知らずの人にタダで教えるわけにいかない、と一転します。それが人間です。一方、教えを請いにきた人も「純粋に貧しい人を助けたいと思ってきたのに、結局お金か」と憤慨してしまう。世の中には、いいソリューションが実はたくさんある、でもそれが広がらないのは、ここに壁があるからです。

 【田原】どうすればうまくいく?

 【田口】みんなが身内になればいいんです。たとえば、弟が兄に教えを請うても、普通はお金を取りませんよね。では、どうやって他人同士を身内にするのか。それには財布を一緒にすればいいというのが僕の考え。アルファジリがグループに入れば、社会をよくしたい社会起業家たちとお金とノウハウのすべてを共有でき、このネットワークから解決方法を世界に広げていくことができます。グループメンバーが広げた先で出た利益は、また同じみんなの財布に戻ってくる。それを使って自分はまた新たな事業を起こす。こうして、世界のある起業家が考えた社会ソリューションが瞬く間に世界に広がっていく。それが僕らの考える社会変革のアプローチです。

 【田原】ソーシャルビジネスのプラットフォームをつくる。おもしろい。ぜひ頑張ってください。

田口社長から田原さんへの質問