作業室に何十台ものプリンターがずらりと並ぶ様は壮観だが、印象的なのは室内の静けさ。大勢の作業員やロボットがせわしなく動き回る自動車工場などとは対照的で、「この部屋を管理している従業員は2人だけ」というセリンさんの説明にまた驚かされる。
だが、びっしりと埋まった工程管理の電光表示板を見れば、フル稼働で作業が続けられていることが分かる。顧客から絶え間なく入る注文をさばき、次々とプリンターで模型や試作品などを製品化していく。レッドアイ社の顧客先は法人で、自動車会社から航空宇宙産業、医療機器会社…と実に多種多様。「どんな注文にも対応できるのか」との問いに、セリンさんは「もちろん複雑な製品は工程も長くかかる。でも、データさえあればどんなものでもプリントできると思う」と胸を張った。
米調査会社ウォーラーズ・アソシエイツによると、ストラタシス社は世界シェア(2012年)の約39%を占め、2位の米3Dシステムズ社(約18%)の倍以上という存在感をみせている。