未来が現実になったような最先端の機器というイメージの強い3Dプリンターだが、実は装置そのものは20数年前からある。近年急に注目され始めたのは、技術の革新により0・1ミリ単位の微少な幅で層を積み重ねられるまでに「精度が向上した」(セリンさん)ことが大きい。精度が上がれば、当然顧客の信用も上がるからだ。
また、これまでの3Dプリンターは高いものでは1億円、安いものでも数百万円はするのが普通だったが、ストラタシス社でも100万円台のプリンターを生産できるようになった。資金力のある一部の大企業だけでなく、中小企業にも顧客がぐんと広がった。
さらに、個人向けも手がける別のメーカーからは10万円台の製品も出始め、ついに家庭でも3Dプリンターが使える時代が到来。一気に市場が拡大する期待が広がっており、米調査会社によると、12年に22億ドルだった総市場は、21年には108億ドルと約5倍にまで膨らむ見通しだ。