白血病以外のすべてのがんに関する解析結果。被ばくした総線量を横軸として、被ばくを受けた集団の、対照とする被ばくしていない集団に対する相対的なリスク(相対リスク)を示す。相対リスクの数値が1.0を超えると、リスクが高まることを示す。
インド・ケララ州の疫学調査では、リスクの上昇は見られなかった。
秋葉澄伯・鹿児島大学大学院教授に聞く
1シーベルトの被ばくでも、がんが増えた証拠は得られず
今回の疫学調査で中心的な役割を果たしている秋葉澄伯・鹿児島大学大学院教授に、調査の経緯や成果、低線量放射線と健康リスクの関係などを聞いた。
--カルナガパリ地区に注目したのは
「カルナガパリは放射線レベルと人口密度からみて世界的にも有数の高自然放射線地域です。海岸地帯にはモナザイトという鉱物が混ざった黒い砂が堆積しており、その中のトリウム、ウラニウムなどから出るガンマ線によって自然放射線量が世界平均の数倍高くなっています。ここが注目され始めたのはWHO(世界保健機関)の専門家委員会が1959年にチャバラ、ニーンダカラ地域の放射線レベルが高い可能性を指摘してからのことです。この地域の人口は約40万人(91年調査)で、世帯数は約7万。疫学調査のためには現地の人の協力が必要ですが、90年ごろから州都・トリバンドラムにある地域がんセンターが全住民の生活習慣調査を実施する一方、がん登録センター(RCC)が設立されたので、そこの協力を得てがん罹患率などの調査を始めました」