福井地裁が運転差し止めの仮処分を決定した関西電力高浜原発3、4号機(福井県高浜町)【拡大】
新規制基準は妥当か、否か。両地裁では、これが主な論点となり、福井地裁は「合理性を欠く」と批判し、鹿児島地裁は「不合理な点は認められない」と判断した。福井地裁は決定理由の中で過去10年、4原発で基準地震動(想定される最大の揺れ)を越える揺れが5回あったことを重視し、関電の見積もりの甘さなどを指摘。関電側は「事実誤認がある」と異議と執行停止を申し立てている。
福島事故以降、各地で原発訴訟が起こされるたびに、しばしば持ち出される判例がある。4年に四国電力伊方原発訴訟で原発の安全審査は行政の専門的な判断を重視すると言い渡した最高裁判決だ。この判例は司法が科学的、技術的な専門領域に踏み込み、判断してはいけないといっているわけではない。が、規制委の結論に異を唱えるのであれば、規制委と同じだけの労力を費やした上で判断する必要があるのではないか。
規制委は高浜原発の安全審査で、約1年半にわたり現地調査と会合を重ね、関電側に想定する基準地震動を大幅に引き上げさせ、「合格」としている。これに対し、福井地裁は今回の仮処分申請で2回の審尋しか行っていない。