「アップルvs.グーグルどちらが世界を支配するのか」【拡大】
本書は最後に、タブレットの隆盛がコンテンツやデバイスの産業を「コンバージェンス(集中化)」という形で飲み込みつつある現状を分析して終わる。特に米国は、映像・音楽などのメディア企業を中心に、コンバージェンスの波が激しい。その影響の大きさは、勝者であるはずのアップルとグーグルですら「翻弄される側」に押し流してしまうほどで、単純に勝者を語るのはふさわしくない。本書でも勝敗は述べられていない。
10年前に「スマホ全盛」へのきっかけが生まれていたのだとすれば、次の10年への核もすでに生まれているのかもしれない。コンバージェンスの先にあるものについて、本書は明確に語っていないが、著者がそこに期待を置いているのは間違いない。ではそれは、本当にアップルやグーグルの手元にあるのだろうか。(フレッド・ボーゲルスタイン著、依田卓巳訳/新潮社・本体1600円+税)
評・西田宗千佳(ジャーナリスト)