『カタツムリの食べる音』エリザベス・トーヴァ・ベイリー著、高見浩訳(飛鳥新社・本体1600円+税)【拡大】
■一人の女性の命が救われた
これは小さなカタツムリが一人の女性の命を救ったという真実の物語です。「筋痛性脳脊髄炎」という、原因不明の強度の疲労が長期間続く病に倒れた著者、エリザベス。思いのままにならない体を抱え、絶望のふちにいる彼女のもとに、友人があるお見舞いを持ってきてくれました。それはスミレの鉢植え。その葉の下にドングリくらいの小さな生き物を忍ばせて-。
最初のうちは興味を示さなかった著者ですが、次の日、自分宛の手紙の封筒に四角い小さな穴が開いていることに気づきます。ピンときました。これはカタツムリの仕業に違いない。試しに傍らの花弁を与えてみると、コリコリ、という微かな音をたてて食べるではありませんか。