東京タワー、ライトアップ誕生までの苦闘 照明デザイナー・石井幹子さん (4/5ページ)

2014.5.4 18:08

「ライトアップは人に元気を与えるもの」と話す石井幹子さん(宮川浩和撮影)

「ライトアップは人に元気を与えるもの」と話す石井幹子さん(宮川浩和撮影)【拡大】

  • 2020年東京五輪・パラリンピック開催決定を祝い、五輪カラーに染められた東京タワー=平成25年12月15日(早坂洋祐撮影)

 「電気代は少なく、効果は大きく」は照明デザインの基本です。東京タワーはあれほど遠くまで輝いているのに、1時間あたりの電気代は約3千円。ダイヤモンドヴェールはさらに省エネで600円程度。これで、一晩に100万人以上が見るわけですから効果的です。

 《平成23年、東日本大震災の直後、東京タワーは再び闇の中に姿を消した》

 ショックでした。福島から送られた電気を、私たちは使わせていただいているのですから。4月11日、さまざまな協力を得て、東京タワーに復興への祈りの明かりを灯(とも)しました。「GANBARO NIPPON」。電力は太陽光発電でまかないました。文字だけでしたが「震災後初めてタワーに光が帰ってきた」と皆、喜んでくれました。以来、毎年3月11日には文字を掲げています。今年は「KIZUNA TUYOKU」。

 歴史学者の木村尚三郎先生はよく、講演で東京タワーの話をなさってました。「あれは現代のお灯明です」と。不安の多い時代、あの明かりが少しでも多くの人の心のよりどころとなれば、と願っています。

【プロフィル】石井幹子

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