「在宅」支援は進まず
とはいえ、地価が高い東京で高齢者向けの病院や施設を新設するのは容易ではない。しかも、政府は社会保障費の抑制に向け病院や介護施設から在宅医療・介護へのシフトを進めており、施設整備が一挙に進むとは考えづらい。
このままでは“医療地獄”とも言うべき風景が広がりかねない。老後も東京圏に住み続けるには、“介護難民”に陥るリスクへの覚悟を必要とするようなものだ。
厚生労働省も対策を進めてはいる。1つは病院機能の再編だ。若い世代が減り、高齢患者が増えれば疾病構造は変わる。高度な治療を行う病院を減らし、慢性期病院などに転換させて高齢患者の受け入れを増やそうというのだ。
しかし、これは個々の病院の利害がからむだけに一筋縄ではいかない。東京圏には若い世代も多く、極端な転換も起こりにくい。
2つ目は、自宅などで暮らし続けられるよう医師や看護師、介護職員などが連携して在宅医療・介護サービスや生活支援を行う「地域包括ケアシステム」の構築だ。