だが、こちらも厚労省の思惑通りには広がっていない。家族や地域の支えが必要なのだが、1人暮らしや夫婦とも高齢者という世帯が増えた。東京圏では住民同士の結びつきが希薄な地域も多い。
一方、人口が減少する地方の近未来図といえば患者不足である。高齢者が死亡すると患者も減っていくのである。すでに医療機関や介護施設の倒産まで懸念されている。
こうしたアンバランスを考えれば、退職後は地方に「脱出」するのも一つの選択肢となろう。東京一極集中と地方の人口減少という2つの課題の同時解決ともなる。
人口減少時代は、国民一人一人にどういう老後を選ぶのかを問うている。大病を患う前に考えておきたい。