■月またぎの費用合算できず 年間上限は見送り
収入階層の細分化は、高額療養費制度の5年がかりの課題だった。費用がないために治療を受けられないのでは、皆保険とは言えない。関係者も改正に前向きだったが、財源がなかった。
「収入の4分の1の負担」を徹底し、高所得層の負担を上げても必要額には足りない。患者から100円を徴収して充てる案や、年間上限をかける案が出ては消えた。結局、消費税の8%への引き上げが実現し、年に約250億円を充てるめどがついて実現した。
がん経験者の就労を支援する「キャンサー・ソリューションズ(キャンソル)」の桜井なおみさんは「長くかかったけれど、本当に良かった。低所得の若い人が増えており、電話相談でも費用に関する相談はめちゃくちゃに多い。でも、その割には制度の使いこなし方が知られていない。がん治療の場合、抗がん剤が高額なので生活保護を受けて治療するか、治療を辞めるかの二者択一になってしまう」と訴える。