年間上限の設定は、月額の治療費がすれすれで限度額にかからない人には切実な課題だ。例えば多発性骨髄腫の治療は、平均的な薬の服用量だと、月の負担が7万円程度で続く。一般的な収入だと高額療養費の対象にならず、4カ月続いても負担軽減にもならない。患者の中には、薬をまとめて処方してもらうなどの「自衛策」を取るケースも。
「日本骨髄腫患者の会」の上甲恭子副代表は「分子標的薬と呼ばれる薬の開発が進んでおり、どの薬も高額。いい薬で命を永らえるものの、医療費が高く、長生きも痛しかゆしというような気持ちになる患者もいる。開発ラッシュが続くので、当分は同じ悩みを抱えることになる」と話している。