ただ、今回の改正で解決しなかった課題もある。読者からの相談にもよくあるのは、月をまたぐ治療費は合算できないこと。埼玉県に住む近藤洋子さん(70)=仮名=は69歳のとき、内視鏡手術で大腸の腫瘍を取った。5月末に入院し、退院したのは6月半ば。窓口負担(保険適用分のみ、食費は除く)は2カ月で約10万円に上ったが、高額療養費の対象にはならなかった。ごく普通の収入なので、上限は8万円程度ではなかったかと疑問に思い、病院に問い合わせたら、「領収書が5月と6月で2枚になっていて、それぞれが8万円に満たないので対象になりません」と言われた。
近藤さんは「一連の治療でも月をまたぐと対象にならないなんて知らなかった。知っていたら月初めに入院したのに…」と振り返る。
もう1つの課題は、治療が複数の医療機関に分かれた場合、1カ所での月の窓口負担が2万1千円以上でないと合算できないこと。キャンソルの桜井さんは「患者は領収書を1枚にまとめるため、治療を大病院に集中させる。厚労省が医療機関の役割分担や病院同士の連携を進めたいなら、少額でも合算できるようにするか、年間上限をつけるべきだと思う」と言う。