家での介護は訪問ヘルパーに支えられている=東京都葛飾区【拡大】
ただ、仮に配偶者控除がなくなっても、現行制度では年収が130万円を超えると、本人や企業には厚生年金や健康保険の保険料負担が発生する。企業はこれまで、こうした事業主負担のかかる労働力を敬遠してきた。その負担を負う覚悟はあるのか?
佐藤専務は、こう答える。「法定福利の負担は今や、採用コストの3分の1にすぎない。負担が増えても、人を採用して生産性を上げるのが先。保険料を納めれば、働く人自身の老後の保障もついてくる。ぜひ、ラインを突き抜けて働いてほしい」
■環境整備し、専門性習得の道筋を
常勤職員を含めた介護職の賃金を考える上で不可欠な視点は、技能を育て、それに見合う賃金が払われているかどうか、だ。
介護職は専門職だ。生活援助だけでなく、身体介護ができるか▽残る身体機能を生かした介助ができるか▽認知症の人の突発的な行動に対応できるか-など、さまざまな知識と技能が求められる。