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なぜ導入されるのか。富士通総研経済研究所の榎並利博主任研究員は「きちんと本人を特定するためです」と説明する。日本には個人を特定する手段がなかった。税金を滞納して引っ越した人が同じ住所に戻ってきたとする。名前や生年月日が同じでも、同姓同名かもしれないし、偶然同じ日に生まれた人かもしれない。自治体が差し押さえに踏み切り、他人に間違えられたと訴訟を起こされるケースも少なくないという。
本人特定の試みは以前からあった。古くはグリーン・カード(少額貯蓄等利用者カード)だ。少額貯蓄の利子を非課税扱いとして優遇するいわゆるマル優利用口座を持つ人に番号を配って特定しようとしたがプライバシーの侵害だと反発されて1985年に見送られた。
地方自治体が持つ住民基本台帳をコンピューターでネットワーク化し、全国共通で本人確認できるシステムの構築を目指した住宅基本台帳ネットワーク(住基ネット)もあった。2003年8月に11ケタの住民票コードと認証情報が記録されたICカード「住民基本台帳カード」の発行が開始されたものの、セキュリティを懸念する声が高まり普及率は数%に留まっている。