求心力に深刻な影
米国は財政協議決裂による10月の政府機関閉鎖をめぐって、オバマ氏がTPP交渉の首脳会合を欠席し、「傷を負った」(フロマン氏)。交渉の旗振り役のはずが、今や「足を引っ張る」(外交筋)米国への不信感が各国に渦巻く。オバマ政権はTPA復活を目指すほか、ジェイコブ・ルー財務長官(58)がアジアを歴訪して交渉加速への協力を各国に呼びかけたが、米国の求心力に深刻な影が差している。
TPP交渉自体も各国の利害の対立が深く、当初の想定とはほど遠い緩慢なペースを余儀なくされている。先月(11月)米国で開かれたTPPの首席交渉官会合も、半数超の分野で合意のめどがたったものの、最難関の関税撤廃・削減を扱う「物品市場アクセス」など難航分野で合意への道筋をつけることができなかった。「国有企業改革」でも米国と新興国の対立が激しい。
12月7日からシンガポールで開かれる閣僚会合で政治決着を図れるかどうかが、目標とする年内の実質合意を左右する。米国が各国を束ね、TPPの盟主としての輝きを取り戻すことができるかどうか、文字通り剣が峰だ。(ワシントン支局 柿内公輔(かきうち・こうすけ)/SANKEI EXPRESS)