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極北の精神を綴った吉田一穂の詩魂 北海道でなきゃ、こんな詩人は生まれない 松岡正剛 (1/5ページ)

2014.1.20 18:55

【BOOKWARE】編集工学研究所所長、イシス編集学校校長の松岡正剛さん=9月14日、東京都千代田区の「丸善丸の内店内の松丸本舗」(大山実撮影)

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 ぼくは吉田一穂(いっすい)を、いっとき「ブラキストン線の向こう側の詩人」と名付けていたことがある。20代後半に一穂の『黒潮回帰』や『古代緑地』に傾倒していたころだ。ブラキストン線というのは津軽海峡に重なる北海道と本州を分ける生物分布境界線のことをいう。一穂は北海道の上磯郡木古町の漁師の家に生まれ、16歳まで海辺で青春をおくったのである。1898年の生まれだ。

 一穂の詩は『母』がよく知られている。「ああ麗はしいディスタンス、つねに遠のいていく風景…。悲しみの彼方、母への、捜(さぐ)り打つ夜半のピアニッシモ。」というものだ。澁澤龍彦さんが「ぼく、これが大好きなんだよ」と言っていた。

 しかし、一穂の詩は長らく難解とも抽象的とも言われ、孤高の詩人扱いをされてきた。たとえば「自我系の暗礁めぐる銀河の魚。コペルニカス以前の泥の拡がり…。睡眠の内側で泥炭層が燃え始める」。たしかに難しい。漢字に独特のカナるびが振ってあることも多い。たとえば「口笛ならして鳥に描かせる空間の形象(カリグラム) 蜜蜂は透明な白昼の洋燈(ラムプ)を点してゆく」というふうに。カッコ内がルビになる。

吉田一穂の詩は「意識」だけからできている

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