【KEY BOOK】「ガルガンチュアとパンタグリュエル」第3の書(フランソワ・ラブレー著、宮下志朗訳/ちくま学芸文庫、1575円)
パニュルジュの結婚問題が持ち上がり、この世の議論という議論を次々に通過していくという、異例の展開になる。プラトンの対話篇のラブレー的仕様変えと見てもいい。ぼくがラブレーを読んだのは大学2年の渡辺一夫訳だったが、この第3の書で挫折した。いまではこの「議論という世界」の編集法に感嘆している。
【KEY BOOK】「ガルガンチュアとパンタグリュエル」第4の書(フランソワ・ラブレー著、宮下志朗訳/ちくま学芸文庫、1890円)
パンタグリュエルの一行がインド方面に大旅行をして、数々の奇妙キテレツな風習と出会い、ついに徳利明神の御宣託に出会うという物語。のちのガリヴァー旅行記が真似をした。これまで秘めていた教会批判が爆発的な笑いとともに放たれ、その奥から人間社会は「深い寛容」によって充ちるべきだという思想が響いてくる。