フリーの演技終了後、涙と笑顔を見せる浅田真央(まお)。ショートプログラム(SP)16位の衝撃から気持ちを切り替え、高難度の構成を演じ切った浅田には、しのぎを削ってきたスケーター仲間からも惜しみない称賛の声が上がった=2014年2月20日、ロシア・ソチのアイスベルク・スケーティング・パレス(大里直也撮影)【拡大】
「6種類」逃す
4年前は入れることができなかった3回転ルッツは惜しくも踏み切り違反を取られ、トーループも回転不足に終わった。トリプルアクセルを2本から1本にしたときに誓った五輪の女子で初となる全6種類(難度順にアクセル、ルッツ、フリップ、ループ、サルコー、トーループ)の3回転はあと一歩で逃した。しかし、SPとフリーで計3度、トリプルアクセルを成功させ、ギネス世界記録に認定され前回のバンクーバー五輪に続き、今回も画期的な挑戦で「ジャンプの浅田」を再び印象づけた。ジャンプなどの要素の難しさを示す基礎点の合計では66.34点で、フリーに出場した24人でトップだった。
浅田は試合後、「きのうはすごく悔しい思いをしたが、きょうは自分の中での最高の演技ができた。そういう意味では、(悔いが残る演技で銀メダルに終わった)バンクーバーの演技へのリベンジはできたし、たくさんの支えてくれた方々に自分なりの恩返しができたと思う」と語った。そして、これからの4年間について問われると「今は後のことは考えていない」と答えた。
5歳から始めた挑戦は終幕を迎えたのかもしれない。だが、幕は下りても、この日浅田が見せた気迫のフリー演技が残した価値は計り知れない。多くの国民の記憶に永く刻まれ、続く後輩や子供たちを大いに奮い立たせたに違いない。(SANKEI EXPRESS (動画))