桁外れの贅沢(ぜいたく)が「腐敗の象徴」なのか。ウクライナ大統領を務め、政変で2月22日に首都キエフを去ったビクトル・ヤヌコビッチ氏(63)が暮らしていたキエフ郊外の邸宅が野党勢力によって公開され、見学に訪れた市民らは想像を超えた大統領の贅沢な暮らしぶりを目の当たりにし、「貧困が蔓延(まんえん)している国で一人の政治家がこんな浪費をしているのは許されない」などと一様に憤慨した。分裂と混乱が続いた過去の親欧米政権に失望した国民は、その後登場した親ロシアのヤヌコビッチ政権の腐敗ぶりにもあきれ果て、政治不信は頂点に達している。
ゴルフ場に動物園
邸宅は22日から公開され、すぐに人気の散策スポットになった。日曜の23日には報道を見た市民が殺到。正門の7キロ手前から渋滞が続き、路肩に駐車して歩き出す子供連れの姿もみられた。フランス通信(AFP)などによると、邸宅の敷地は東京ディズニーランドの3倍近い約140ヘクタールもあり、5階建ての母屋は下部が石造り、上部が木造で、周辺は親水公園となっている。