日蓮宗系の尼僧、鈴木日宣(すずき・にっせん)さん=2013年11月28日、千葉県内(瀧誠四郎撮影)【拡大】
多くの恩恵によって
人間として生まれる-。これは決して容易なことではありません。仏教では「天から糸をさげ、深い海底に立てた針の穴にその糸が入ることよりも、人間として生まれてくることはもっと難しい」また「人間に生まれてくることは、全世界の砂を集めた中で爪の上に乗る数ほど少ない」と説かれています。そのように得難い生命をいただいたのですから、決して粗末にしてはなりません。一人一人には前世の業因(ごういん)により定められた寿命(定命)があります。しかし肉体が自然に還るその時までは与えられた命を大事に、そして精いっぱい生きる事が何より大切なことです。
私達は両親より命を授かりました。その私達の命は直接的、間接的にたくさんの人々との関わりによってたもたれています。そして太陽や空気、大地といった大自然からも多くの恩恵にあずかっています。どれか一つでも欠けていたら自分という存在はあり得ません。また地球上に存在するものは相互に関わり合い、影響しあってバランスを保っています。私達一人一人の存在は、自身が気づかないところで周りの人や環境に影響を与え続けているのです。