福島県は、県都の福島市や商都の郡山市でも値上がりした。原発事故の影響で、岩手、宮城県に比べて復興に出遅れ感があるものの、全用途平均で22年ぶりにプラスに転じた。
自主避難も含め、福島県では今も約13万5000人が避難生活を強いられている。役場の機能を内陸部の二本松市や会津若松市に移した町もあるが、いわき市は、移住先として人気が高い。このため、いわき市は約32万7000人の届け出人口(3月1日現在)に、転入手続きをしていない避難者や原発作業員らも合わせた人口がバブル経済期後のピーク時(36万人台)に迫り、土地需要につながっている。
市内の住宅地の上昇率は、中央台鹿島1丁目5番3(1平方メートル当たり4万9000円)が11.6%で全国2位のほか、5位と7位に入った。不動産鑑定士の鈴木禎(よし)夫氏は「平地が少なく、開発余地があまりないことも地価を押し上げている」と指摘する。
避難指示区域は評価が行われておらず、中間貯蔵施設建設に伴う国有化論議は地価に反映されていない。(大塚昌吾/SANKEI EXPRESS)