ウクライナ・クリミア自治共和国ヤルタと特別市セバストポリ。※2014年3月18日、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は首都モスクワのクレムリン(大統領府)での演説で、ウクライナ南部クリミア自治共和国と特別市セバストポリのロシア連邦への併合を宣言した。【拡大】
こうした中、欧米への経済依存を減らそうとの動きが政権内では出ている。プーチン氏は最近の会合で「ロシア企業は国内に登記し、透明な所有構造を持つべきだ」と述べ、企業が納税などを通じてより国に貢献するよう財界人に要請。各種入札での自国企業優遇策を拡大する考えも示した。
BRICS重視
産業貿易省は、国の機関による医療分野の輸入品購買を禁じる政令を準備。政権内には独自のカード決済システムをつくり、中国の決済網と連携する構想も浮上している。
国際的孤立を避ける上で鍵を握るのは、中国とインドをはじめとするアジア諸国だ。プーチン氏はクリミア併合を宣言した(3月)18日の演説で、中国指導部が「歴史的、政治的な背景を考慮している」ことや、インドの「自制と客観的立場」に謝意を表明した。ロシアは、特に中国に対し、欧州に代わる石油・天然ガスの輸出先として熱い視線を注ぐ。
ロシアでは、「中国だけでも味方につければ、それは『孤立』とは言わない」「中国が投資や技術革新を通じてロシア近代化の原動力になる」といった識者の意見が出ている。