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あでやかに咲いた季節を味わう 虎屋菓寮 京都一条店 (2/5ページ)

2014.3.30 12:40

「都をどり」の茶席で出される薯蕷(じょうよ)まんじゅう「春の日和」。奧のピンク色は4月前半、手前の緑は葉桜をイメージして4月後半のもの

「都をどり」の茶席で出される薯蕷(じょうよ)まんじゅう「春の日和」。奧のピンク色は4月前半、手前の緑は葉桜をイメージして4月後半のもの【拡大】

  • 春を代表する和菓子「桜餅」。虎屋製は小麦粉を焼いた生地を使う関東風だ
  • 年間商品のあんみつと抹茶のセット。よく見ると、中の花がピンクの桜。季節で意匠を替えている。黒みつか白みつをかけて
  • 華やかな濃いピンク色の「奈良の都」はナラノヤエザクラをかたどった
  • 季節の羊羹(ようかん)「雲井の桜」
  • 京都御所の西にある「虎屋菓寮_京都一条店」=2014年3月17日、京都市上京区
  • ゆったりとした「虎屋菓寮」の店内。貴重な本が並べられ、閲覧もできる=2014年3月17日、京都市上京
  • 蔵を中心に、梅や桜など季節の花が迎えてくれる「虎屋菓寮」の庭=2014年3月17日、京都市上京区

 特別に2種作ってもらったのには、理由がある。よく見ると桜の焼き印は同じだが、皮の上の色が違うのだ。ピンク色は桜の花が咲いている4月前半まで、すでに京都市内ではソメイヨシノが葉桜になってしまう4月後半は緑色に切り替える…というちょっとした工夫なのである。和菓子の銘や色、形で季節を表現する京都ならではの感性といえよう。一般販売は京都一条店と京都四条店のみ、都をどりの期間限定だ。

 「桜餅は関東風」のわけ

 春になると、桜の香りがやさしい桜餅が食べたくなる。小麦粉の皮であんを挟む関東風と、もちもちとした道明寺粉を使う関西風。東西で見た目も材料も異なるのはよく知られているが、京都発祥の虎屋は関東風だ。

 そのわけは、まず桜餅の発祥は江戸らしいこと。江戸幕府8代将軍・徳川吉宗が、向島の景観をよくするために桜の木を植えるよう命じ、人々が花見で憩うようになった後に、長命寺(東京都墨田区)あたりで、桜の葉を塩漬けにしてあん入りのもちを包んだ菓子が考案されたという。その後、関西にも桜餅が伝わったと考えられるが、いつごろで、なぜ道明寺に変わったのかはよくわからない。

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