≪生命力・冒険心 「少年のように」変身≫
発泡ウレタンは通常、住宅の断熱材に使われる。名和晃平さんは回転台の上に乗せた発泡スチロールの固まりに、スプレーガンを使ってさまざまな角度から素早く発泡ウレタンを吹き付けていった。スプレーガンはそれにつながれたホースと合わせると重さが10キロ以上はある。かなりの力仕事だ。マスクを外すと、名和さんの額から玉のような汗が吹き出た。
発泡ウレタンの質感やゴールドの色味を試すなどありとあらゆるサンプルを作った。そして、最終的なプレゼンで決まったのは、ランダムに裁断された発泡スチロールの断片に発泡ウレタンを吹き付け、ボコボコとした気泡で表面を作り、そこにくまなく本物の金粉を混ぜたゴールドの塗料をコーティングしていくという手法だった。表面に一切の塗り残しがないように、美術学生や造形家、塗装職人など大勢を動員して、まさに人海戦術で日夜寝る間を惜しんで、塗り続けた。さらにそれを木の形へと造形していった。
そして12月、ニューヨークのコム・デ・ギャルソン チェルシー店に、名和さんと2本のゴールド・ツリーが姿をみせた。