16世紀にオランダで発明された顕微鏡は、18世紀半ばに日本に伝わり、蘭学者らに利用される一方で、庶民にも“ミクロの世界”の新しい発見を広めた。古河藩の土井利位(としつら)が観察、記録した雪の結晶「雪華(せっか)」は、着物の柄になったり、「雪華文蒔絵印籠(せっかもんまきえいんろう)」(重要文化財、原羊遊斎、1832~40年)にデザインされたりと、江戸期のアートを彩る。
16世紀末に発明された望遠鏡も約20年後には徳川家康に献上された。その後日本製も作られ、お金を取ってのぞかせる見せ物がはやる。
同じ見せ物でまたまた笑ってしまったのが、「新卑姑射文庫 三編」(高力猿候庵原画/小田切春江写)。7枚の鏡を並べ、見物客が前に立つ。鏡は凹面や凸面で、見物客の顔は小さくなったり、大きくなったり、長くなったり…。
筆者は「自分自身の顔を、お金を出して見ることさえおかしいのに、みんなから笑いものにされている」と、皮肉たっぷりだ。
ファン垂涎の名画も
企画展は、(1)〈遠近法〉との出会い(2)〈鳥の眼〉を得た絵師たち(3)〈顕微鏡〉でのぞくミクロの世界(4)〈博物学〉で観察する(5)〈光〉と〈影〉を描く-に分かれる。