外務省内部で「ロシアによるクリミア編入後、欧米主要国の外相がロシアを訪問したことはない。対米配慮から、外相訪露を中止すべきだ」という意見と、「安倍晋三首相とプーチン大統領の間に構築された良好な信頼関を崩さず、北方領土交渉の継続するために淡々と訪問すべきだ」という意見が対立しているようだ。
落としどころは
ロシアはウクライナの新政権を認めていない。しかし、5月25日に行われるウクライナ大統領選挙にロシアは異議を申し立てていない。この状況を踏まえた上で岸田外相はモスクワにおもむき、ラブロフ露外相と会談すべきだと思う。そこで、岸田外相がラブロフ外相に、ウクライナ問題をめぐる国際社会の懸念を伝え、ロシアから、「(クリミアを除き)ウクライナとの国境線を変更しない」という約束を取りつけることが、平和を維持するために死活的に重要だ。ロシアは国境線の不変更に同意するとともに何かの条件をつけてくる。この条件を分析すれば、ロシアの落としどころについての本音がわかる。(作家、元外務省主任分析官 佐藤優(まさる)/SANKEI EXPRESS)