一方、現状のまま追加的な削減努力をしなければ、30年には450ppmを超過。今世紀末には750~1300ppm以上になり、平均気温は3.7~4.8度上昇すると警告した。世界各国が現在掲げる自主的な削減目標の水準では、3度未満に抑えられる可能性は高いものの、2度達成の確率は五分五分にも満たないと指摘した。
京都議定書については、当初「効果は限定的だった」などと批判的に総括していたが、検討時間が限られる中、各国の意見の隔たりが埋まらず「環境に対する効果などの点で教訓になる」との表現で合意した。
新たな報告書について、IPCC関係者は地球温暖化を防ぐため「全ての人が今すぐ行動しなければならない」とのメッセージを込めたと説明。環境非政府組織(NGO)は報告書を評価し、再生可能エネルギーへの投資を大幅に拡大する必要があると訴えた。
作業部会のピチス共同議長(キューバ)は、共同通信に対し「削減策への取り組みが遅れれば、その後の対策費用は高くつき、リスクは高まる」と述べ、事態は緊急を要すると強調。「われわれの行動様式も変える必要がある」と語った。