しかし、中国は今も昔も武士道の価値が理解できない。帝國政府や海軍中央の叱責に腹切る覚悟で葬送を決心した伊東の、追認した政府・海軍の、それぞれの武士道が理解できない。丁への仕打ちの持つ蛮性に気付きもしない。中国に中華思想を植え付けられ「擬似(ぎじ)中国=小中華」に堕(お)ちた韓国も同じ。
拓殖大学の呉善花(オ・ソンファ)教授(57)は4月21日、九州正論懇話会での講演で、韓国の反日感情の背景に潜む文化・歴史に触れ「文治主義の韓国は武士道の国・日本を野蛮な国と蔑視し『われわれが正さなければ軍国主義が復活する』と思っている」と語った。
「真の武士道とは何か」を、中韓に説いて聴かせねばならない。呉氏はまた、沈没事故で乗組員が真っ先に逃げ出した事実を指摘し「極限状態でこそ社会の在り方が見える。韓国人は反日の時は団結するが、愛国心はなく、徹底的な利己主義だ」と言い切った。
都合良く歴史を捏造(ねつぞう)・粉飾し、恥と思わぬ中韓に「真の武士道とは何か」を説く虚(みな)しさも、深く感ずる。それでも《武士道がなくなるときは、日本の滅びるとき》と予見した内村の警鐘を真正面で受け止め、日本人自身が武士道を国際で体現しなければ、中韓の「醜悪な行い」をあぶり出せない。(政治部専門委員 野口裕之/SANKEI EXPRESS)