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軍事介入はウクライナ暫定政権の思うつぼ (3/3ページ)

2014.5.10 08:40

  • ウクライナ・ドネツク州スラビャンスク、ドネツク州ドネツク(州都)、ルガンスク州ルガンスク(州都)。※2014年3月18日、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は首都モスクワのクレムリン(大統領府)での演 説で、ウクライナ南部クリミア自治共和国と特別市セバストポリのロシア連邦への併合を宣言した。
  • 作家、元外務省主任分析官、佐藤優(まさる)氏(共同)

 ウクライナの親露派勢力は、ロシア政府の統制に服していない。トゥルチノフ大統領代行は、元保安庁(秘密警察)長官で、CIA(米中央情報局)、SIS(英秘密情報部、いわゆるMI6)とも良好な関係を持っている。権力基盤が弱いウクライナ暫定政権としては東部、南部の状況が混乱し、ロシア軍が介入することは、決してマイナスではない。なぜなら、そのことによってロシアによる侵略を国際社会に訴え、米国、EU(欧州連合)などから政治的、経済的、軍事的支援を得ることができるからだ。プーチン氏は、ウクライナ暫定政権のこのような意図を見抜いている。

 ロシアによるクリミア併合はウクライナの主権に対する侵害で、国連の基本的枠組みを崩しかねない暴挙だ。日本を含む国際社会がロシアを非難し、制裁を加えるのは当然のことだ。しかし、暫定政権に異議申し立てをする東部、南部のロシア語を常用するウクライナ国民やロシア国籍保持者を、「テロリスト」と決めつけ、掃討作戦を展開するトゥルチノフ大統領代行らも、国際的な人権基準に反する人々だ。ウクライナ暫定政権の危険性を過小評価してはならない。(作家、元外務省主任分析官 佐藤優(まさる)/SANKEI EXPRESS

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