銀の基準価格は3行の担当者が毎日、取引の実勢を踏まえて決め、公表する。宝飾品から工業用まで、さまざまな用途で使われる銀はこの価格に基づいて取引される。邦銀ロンドン支店の担当者は「基準価格のない取引は不可能で、市場は動揺している」と話す。
英紙フィナンシャル・タイムズによると、ロンドンでの銀の年間取引額は、年約1兆6000億ドル(約162兆円)に上る。同様の基準価格は取引額がより多い金にもあり、廃止の動きが波及すれば影響はさらに大きい。
英金銀取引仲介会社ブリオンボールトのエイドリアン・アッシュ調査主任は「基準価格の廃止は取引量の減少をもたらし、価格上昇を招く恐れがある」と警告。現在の基準価格が終了する8月までに、新たな指標をつくることが欠かせないと訴える。(共同/SANKEI EXPRESS)