経済前提では、技術進歩や業務改善の進み方などを示す「全要素生産性(TFP)」に着目したのが特徴。働く女性、高齢者が増えて成長力が高まり、TFPが高く推移する「経済再生ケース」で5種類、低成長が続く「参考ケース」で3種類について、それぞれ年金額を試算した。
経済の再生を実現し、2024年度以降に名目成長率が年1.6%以上(実質年0.4%以上)となるケースA~Eでは、現役世代の手取り収入に対する厚生年金額の割合を示す所得代替率が政府公約の50%を超えた。前回09年の財政検証の「基本ケース」と近い前提のケースEでは50.6%。財政を均衡させるため、給付水準を徐々に引き下げる「マクロ経済スライド」は44年度までに終わる。
一方、低成長で名目成長率が1.3%(実質0.1%)にとどまるケースFでは、給付と負担のバランスが取れるまで水準調整を続けると、代替率は50年度に45.7%まで落ち込む。さらに実質マイナス成長のケースG、ケースHでも40年度までに50%を下回り、その後さらに低下する。