≪半数が時間切れ イラン選手の強さ際立つ≫
総合成績を決めるうえで重要なステージとなるのは、中盤に開催される南信州、富士山、伊豆の3つの山岳ステージ。今年はイランから参戦したミルサマ・ポルセイェディゴラコール(タブリーズ・ペトロケミカル)が、南信州ステージでは苦手な雨に苦戦を強いられ、ライバルからタイム差を奪われた。しかし、最大勾配22%、富士山の須走口まで一気に駆け上がる「ふじあざみライン」での富士山ステージでは、ずば抜けた登坂力を武器にステージ優勝。
翌日の伊豆ステージは伊豆市の日本サイクルスポーツセンター内の周回コースを使って開催されたが、獲得標高合計4000メートルを超える厳しい登坂コースで、チームメートの元アジアチャンピオン、ガデール・ミズバニとともに先行し、ライバルを引き離してゴール。ここで総合優勝を決定付けた。
イランは、自転車ロードレース競技において、アジア最強を誇る国。今回優勝したポルセイェディゴラコールは、この1年間でアジアの名だたるレースを総なめしているが、彼らの長所は圧倒的な登坂力にある。話を聞くと「イランは標高が高く、自分たちはいつも3000メートル級の山でトレーニングを積んでいる」と言う。マラソンのように、持久力が求められる自転車競技において、高地トレーニングは有効とされ、そのトレーニング環境の良さが強さの秘訣(ひけつ)だと説明する。