ウクライナ政府は7月6日、親ロシア派勢力の軍事拠点だった東部ドネツク州スラビャンスクに続き、政府軍がクラマトルスクなど3都市を制圧したと発表した。インタファクス通信が伝えた。これに先立ち、ウクライナのペトロ・ポロシェンコ大統領(48)は5日、スラビャンスクの奪還を受けて国民向けに演説し、「テロリストたちは大都市に立て籠もった。私の指令は包囲網を狭め、ドネツク、ルガンスク両州を解放することだ」と語り、掃討作戦が大都市部での市街戦に拡大することも辞さない構えを示した。親露派の部隊は、もう一つの拠点ドネツクの部隊と合流したもようで、和平協議の再開が模索される中、人口約100万人の州都ドネツクで戦闘が激化する恐れがでてきた。
「反転攻勢の始まり」
クラマトルスクなど3都市の制圧で、政権側は親露派の軍事的基盤だったドネツク州北部の主要都市をほぼ奪還したことになり、ロシア側からクラマトルスク近郊の空港へ武器や物資を補給することは不可能となった。ドネツク州に隣接するルガンスク州の攻防でも、政権側が優位に立つ要因となる。ウクライナのウニアン通信によると、親露派勢力が占拠していたスラビャンスクの行政庁舎にはウクライナ国旗が掲げられた。