こういったタイプの本は、今までなかった。アンタッチャブルな領域で、分析が進んでいなかったのです。さらに言えば、男性が言うと女性蔑視になってしまうので、女性が書かなければならない本だったと思います」
同じ女性の立場でありながら、客観的に「女のいやな部分」を見つめることができる。それを可能にしたのは、医学者という職業柄に加え、自身のさばさばとしたキャラクターもありそうだ。「実は、あんまり女の人から嫌われないんです(笑)。医局時代も、なぜかお局さまに好かれてボールペンとかもらったりしていた。美人の女性が私自身大好きだし、女の競争心をあおらないタイプなんでしょうね。それはなんでなんだろう…と考えた結果が、この本です」
自身を知り全体の力に
特徴的なのは、ステップの3番目。単に攻撃を避けるだけでなく、「女」を受け入れ、自分自身の、そして他者の中の「女」を癒やすということにまで踏み込んでいる。「女性のエンパワーメントにつながる本にしたかったのです。今まで、女性は分断され、女性同士で足を引っ張り合う関係に押し込められてきました。でも、それではいつまでたってもその関係から抜け出すことができない。自分自身の『女』を知り、自分自身の『女』度を下げ、他の女性にもよい影響を与えることができれば、女性全体の力につながると思っています」