中国・上海市【拡大】
中国ではギョーザ中毒事件や粉ミルクの有害物質混入事件など、食品安全に関わる問題が何度も起きてきた。企業は利益を優先し、品質管理を後回しにしている工場が多い。
「仕入れ先の工場を定期的に訪ね、従業員の様子もチェックしている」。日本に食品を輸入するために中国を飛び回る大手流通業の購買担当者は、こう強調する。
中国は経済発展に伴い工場の従業員の賃金が毎年1~2割のペースで上昇。企業の経営を圧迫しており、安全管理がおろそかになる下地はさらに広がっている。
企業に対する地方政府の監視も甘い。庶民の間では「中国企業は(外資系企業よりも)もっと信用できない」(上海市民)との声が多い。