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逸材、松井裕樹 成長を見守る楽しみ 大屋博行 (1/5ページ)

2014.8.4 12:35

7月23日の西武戦に先発した楽天の松井裕樹投手=2014年、埼玉県所沢市・西武ドーム(今野顕撮影)

7月23日の西武戦に先発した楽天の松井裕樹投手=2014年、埼玉県所沢市・西武ドーム(今野顕撮影)【拡大】

  • 【メジャースカウトの春夏秋冬】恩師であるローイ・カーピンジャー氏(左)と大屋博行氏(アトランタ・ブレーブスの国際スカウト駐日担当)=1月18日、米国(大屋博行さん提供)

 【メジャースカウトの春夏秋冬】

 安定しなかった制球

 甲子園を沸かせた大物ルーキー、楽天の松井裕樹(ゆうき)投手に、光明がさしつつある。開幕当初は先発ローテーション入りしながら結果を出せずに2軍落ち。しかし、6月6日に再昇格を果たすと、7月2日のオリックス戦では中継ぎで好投して初勝利をつかんだ。オールスター明けの後半戦からは先発復帰も果たした。

 ここまで苦しんだ原因は何だったのか。

 初先発から3連敗した左腕は、打ち込まれたと思えば、制球を乱し、プロの壁に直面した。無我夢中で全力で投げているのだが、投球フォームに余裕がなかった。英語で「ポンプアップ」という状況で、力みによって制球が安定しなかった。

 174センチとプロでは恵まれた体ではない。高校生が空振りしていたスライダーも、選球眼のいいプロからすれば、当たり前のボールの一つにすぎないというわけだ。

 三振ラッシュで大きな注目を浴びた高校2年時から体も変化した。当時は体つきのバランスがよく、柔軟性もあった。コンパクトに腕を振る「クイックアーム投法」で、打者も打ちづらそうだった。

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