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震災・原発事故 福島を記憶する(上) 復興の第一歩 住民の声を聞いて (4/4ページ)

2014.8.6 18:20

福島県南相馬市の小高地区の駅前通り。歩いている人の姿はない=2014(平成26)年6月29日(横浜国立大学_学生記者、細川高頌撮影)

福島県南相馬市の小高地区の駅前通り。歩いている人の姿はない=2014(平成26)年6月29日(横浜国立大学_学生記者、細川高頌撮影)【拡大】

  • 小高地区の地元の小学生が寄せ書きしたベンチ。子供たちの笑い声は、またこの地に戻ってくるのだろうか=2014(平成26)年7月7日、福島県南相馬市(横浜国立大学_学生記者、細川高頌撮影)
  • 福島県南相馬市小高区
  • 福島県郡山市
  • 福島県南相馬市、相馬郡飯舘村、双葉郡浪江町、双葉郡双葉町、双葉郡大熊町、双葉郡富岡町、双葉郡楢葉町、いわき市、東京電力福島第1原発、東京電力福島第2原発

 「偉い人たちは俺たちに町に戻って来いって言うんだ。自分たちはこの町に来ないのに。戻るのは老人だけだよ。俺ら老人は戻るしかない。他に選択肢がない。でも若い奴は戻って来ない。雇用もないし、子供にとってはまだまだ安心できる環境じゃないからそれは仕方ない」

 しかし、若者がいなければ街の復興はできない。まだまだ復旧さえしていない。現地に来てみると、それがよく分かる。小高で知り合った浪江町出身の男性は「復旧もできないのに、復興なんてできるわけないだろ」と話していた。

 釣具屋で取材をしていると、通りに数台の大型バスがやってきた。

 「バスで観光客が来るんだ。でも、窓も開けずに、車内から写真だけ撮って帰っていくのが多いよ」と、店主は寂しそうに言った。

 「現地に来ることは大切なことだ。テレビや新聞を通して知るのと、肌で感じるのは違う。でもどうせ来るなら、小高の街を実際に歩いて、街の人の声を聞いてほしい」

 街を歩いて、街の人の話を聞く。復興の第一歩は、そんな当たり前のことから始まるのだと、教えられた。(今週のリポーター:横浜国立大学 学生記者 細川高頌/SANKEI EXPRESS

▽震災・原発事故 福島を記憶する(下) 帰りたいけど…諦めと不安大きく

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