だが、食品や日用品の値上がりで家計が圧迫される中、消費回復の足取りは鈍い。安倍晋三首相(59)は7~9月期の景気動向を基に、予定通り来年10月に消費税率を10%に引き上げるかどうかを判断するが、景気回復の先行きを見定めるのは容易ではなく、再増税をめぐって難しい決断を迫られることになりそうだ。
市場が読み違い
「増税後の消費の落ち込みの見通しが甘かった」
4~6月期GDP速報値を受け、多くの民間エコノミストはこう漏らした。各シンクタンクは1~2カ月前まで4~6月期のGDPは実質年率で4~5%程度の減少にとどまるとの見通しを示していた。しかし、その後に発表された消費や生産関連の指標で改善の遅れが明らかとなり、7%前後の減少に相次いで下方修正。結果は6.8%の減少だった。
市場が読み違いをした背景には、今年4月の消費税増税前に講じた駆け込み需要対策が想定ほど効果を発揮しなかったことがある。政府は、駆け込み需要の反動減がその後の景気を冷やした1997年の消費税増税時を教訓に、住宅ローン減税を拡充し、自動車の取得税についても4月に税率を普通自動車で5%から3%に下げるなど、矢継ぎ早に対策を講じた。