【編集後記】
■「ゆとり世代」がつかんだ収穫
日本経済の低迷で長く続いた「就職氷河期」が終わり、景気回復や若年労働人口の減少を背景に人手不足が深刻化し、就活戦線も「売り手市場」が到来したといわれている。
一方で、日本企業は少子高齢化を背景とした国内市場の飽和・縮小に直面。グローバル化の進展を背景に、海外企業との厳しい競争を強いられている。日本経済や企業は競争力が低下し、このまま衰退するのではと心配されている。
そうしたなかでも、わたしたち大学生の「安定志向」はなお強い。有名大学を卒業し、大企業への就職を志向する傾向が強く、起業や独立を目指す学生は多くない。それどころか、就職活動を通じて初めて、自分の将来について考えるという学生が少なくないように思う。
自分がやりたい仕事を見つけ、そのために就職するという「目的意識」は希薄で、内定を得ること自体が就活の「目的」になっているのが実情だ。