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我が眼前の額縁と、ハロルド・ピンターの「背信」と 長塚圭史 (3/5ページ)

2014.9.16 15:00

エマ(松雪泰子)とジェリー(田中哲司)は、互いに家庭を持ちながらも、午後に愛し合う関係を続けてきた。ジェリーの親友であり、エマの夫であるロバート(私)はこのことを知らずにいるのだろうか。写真は現在上演中の「背信」の一場面。ふたりの午後=2014年9月7日(篠山紀信さん撮影、提供写真)

エマ(松雪泰子)とジェリー(田中哲司)は、互いに家庭を持ちながらも、午後に愛し合う関係を続けてきた。ジェリーの親友であり、エマの夫であるロバート(私)はこのことを知らずにいるのだろうか。写真は現在上演中の「背信」の一場面。ふたりの午後=2014年9月7日(篠山紀信さん撮影、提供写真)【拡大】

  • 【続・灰色の記憶覚書(メモ)】演出家の長塚圭史さん(提供写真)

 そもそも相手は私の友人だ。私は彼をしっかりと記憶している。彼は親しい友人だ。多くの仕事を共にやってきて沢山の思い出がある。だからこうして訪ねて来たのだ。私は彼の子供たちと遊ぶ。彼の子供であるということが、子供たちの存在を私に近づけてくれる。子供たちにとってもそうだ。父親が私を知っている、こうして私を家に招いて笑い合っている、私を信頼しているということで警戒心を緩めて遊んでいる。子供は生きている年数が短い分、記憶は急速に蓄積される。30分遊んだだけでも同志のようになれることだってある。勿論(もちろん)忘れてしまうのもまたひどく早いものなのだが。

 真実を捏造、改竄

 彼の奥さんが美味(おい)しい料理を持って来てくれる。さっき紹介されたばかりの綺麗(きれい)な奥さん。彼も奥さんもひどく照れくさそうにしている。伴侶(はんりょ)を紹介するというのは照れくさいものだ。しかし実のところ、私は彼女を知っている。そして彼女も私を知っている。私と彼女は知り合いなのだ。それもただの知り合いではない。ということを彼は知らない。子供たちも知らない。私と彼女だけが知っている。

彼女はどこまで知っていたのだ

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